いつも参考にさせていただいている「Phileweb」の連載「高橋敦のオーディオ絶対領域」の今回のテーマが『「ニセレゾ」疑惑の真相とは - K2HDのハイレゾは本当にハイレゾか?』という、なんとも衝撃的なタイトルのもの。
JVC(ビクター)のハイレゾ技術「K2HDプロセッシング」に関しての記事で「“ニセレゾ”疑惑」などというなんとも乱暴なタイトルにも関わらず、JVC(ビクター)の開発担当者とレコーディングエンジニアがインタビューに答えているのが大変興味深い。
詳しい内容はそちらを読んでもらえばいいのですが、個人的に興味を惹いたのが、エンジニアの高田氏のサンプリング周波数についての発言で「サンプリング周波数については、高い方が透明感は出ます。でも一概に高い方が良いというわけではなくて、強い音楽との相性はいまひとつかもしれません。例えば音の芯やパワー感といった要素は少し薄まる傾向がありますので」というもの。
これはなかなかためになる言葉でした。
自分的には、サンプリング周波数が48kHzよりも96kHz、さらに192Hzと高くなれば、高くなるほど情報量も多く=高音質なのだと考えていましたし、一般的にも多くの方が同様の考えだと思います。
しかし、これは間違いとまでは言わないまでも、何でもかんでもサンプリング周波数が高ければいいということではないということのようです。この考えを裏付ける一例として山下達郎のアルバム制作の際の発言が取り上げられていました。
それぞれに合ったサンプリング周波数というものがあるという意味なのでしょうが、なかでも「強い音楽との相性はいまひとつかも」というのが気になりますね。この「強い音楽」と言うのが具体的にどのようなものを指しての発言なのかは、はっきりとしませんが、一般的に考えられる「強い音楽」と言うものは、たとえばロックであったり、ビートの利いたジャズであったりするのかもしれませんし、大編成のオーケストラによるクラシックなのかも知れません。
ただ少なくとも個人的な考えてしては、自分の好きなしっとりと聴かせる女性ボーカルなどは、この「強い音楽」には含まれないのではないかと思います。
サンプリング周波数によって、どれほどの違いがあるのかを見極めるのは難しい作業のように思えますが、例えばアメリカの音楽配信サイト「HDtracks」などでは同じタイトルでもサンプリング周波数が192Hzのほうが96kHzよりも値段が高くなるわけですから、192Hzではなく96kHzのほうが自分の好きな音楽に合うとしたら、お財布的にこれほどありがたいことはないでしょう(笑)
今後は、この辺りもふまえ、どちらがいいのか探ってみたいと思います。
個人的には、久しぶりに大変興味深く、役に立つインタビューを読ませていただきました。
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